ドラマ「孤独のグルメ」の重箱のスミをツツいたような感想を並べる「スミツツキ!」、当ブログについてのご案内は「ABOUT」ページをご参照のこと。
さて今回取り上げるエピソードは五郎さんの元カノ「小雪(さゆき)」が登場するSeason1の4話。原作でも描かれるフランスでのエピソードが、展開は違うものの雰囲気はそのまま再現されており、五郎さんの人となりを知る上で見逃せない。舞台が一時的にフランスへ飛ぶというのに、出てくる料理が「おでん」というのもまた「孤独のグルメ」らしく渋いチョイスである(※原作は「焼きまんじゅう」)。
- このエピソードの概要:
- 仕事で結婚式場を訪れた五郎さん、古傷がうずき、腹が減った。
仕事中に甦る愛のメモリー
本日の仕事先は浦安の結婚式場。こういう施設が海外の調度品を調達するというのは、割とリアルにありそうな気がする。しかしトレンチコートの男が一人でやってきて客と間違われるというのは、少し無理がある気もする。
場内を案内してもらう五郎さん、チャペルでウェディングドレス姿の女性を見かけたとき、ふと思い出してしまう。それは五郎さんがパリに住んでいた頃のこと……
※Amazonプライム・ビデオより引用
まぁどう見ても浦安ではあるが。
いやいや、仕方ないじゃないか。1シーンのために海外へ行ける深夜ドラマがどこにある。しかしこのシーンの後ろで鳴ってるBGM、そのタイトルもズバリ「ウラヤス・フランス~小雪のテーマ」という。久住さんも意地が悪い……。
原作よりもイイ女
原作では、結婚を匂わせる小雪に対して五郎さんが寒いから革ジャンを着ろとはぐらかし、その態度にキレた小雪が革ジャンを放り出していずこかへ走り出すという流れであった。確かにパリの船着き場での痴話げんかなど、ちょっとしたトラウマものである。何かにつけて思い出すのも仕方ない。
※「孤独のグルメ2」より引用
原作の小雪は「わがままなお嬢様」という印象で、困惑する五郎さんを尻目に一人激高する。女性のほうから結婚を匂わせた経緯も、女優の仕事に嫌気が差して逃げ場を求めたようなものだった。そもそも走り出してどこへ行こうというのか。逃避行の地でも、やはり女優は女優なのかもしれない。
一方でドラマはというと、確か原作の数年後という設定であるはずが、展開は違っている。日本へ帰りたくないと言うところまでは同じだが、「五郎さんのお嫁さんになっちゃおうかな」と大胆に逆プロポーズ。それに対して五郎さんは「そんなこと、できるわけないだろ」と答え、さらには「それより何か甘いものでも食べに行かないか?」と話を逸らしてしまうのである。
ええい、こんな時まで食いもんの話か、食いしん坊!
……見ているほうも思わずそう言いそうになる。
しかしどうだろう、小雪は「ウソ、冗談」とこらえて笑顔を作り、「それより早く、甘いものでも食べに行こうよ」と健気に答えるのだ。
※Amazonプライム・ビデオより引用
ええ子やないか……。五郎さんにはもったいないよ。
センチメンタルな回想が終わると、五郎さんは広い原っぱにポツンと座っていた。ゆっくりと顔を上げて何を言うかと思いきや……
「腹が、減った」 ポン、ポン、ポーン。
……もはや何も言うまい。
結婚に向いてない男
小雪はあのとき五郎さんに「10年後に後悔するかもよ」と言った。
しかし五郎さんは後悔するどころか腹を減らしている。これでは小雪も立つ瀬がない。
しかもこの後、Season6の9話でも五郎さんは小雪を思い出して腹を減らしてしまうのだ。
- 観返しポイント:
- Season6の9話「東京都品川区旗の台のサルスエラとイカ墨のパエリア」の7分20秒あたりから(「Amazonプライム・ビデオ
」の場合)。
若干、「パブロフの犬」状態になりつつある気がするが、大丈夫なのだろうか。
さすがに元カノのことを思い出すたび腹が減るような男は、結婚に向いてないと思う。もちろん五郎さん自身に結婚願望はないが、その割にはずいぶんと未練がましい。
五郎さんが小雪のことを後悔する日は、来るのだろうか。
▼原作を読めば、ドラマ版が女神に見える。
ドラマ「孤独のグルメ」はAmazonプライム・ビデオで!
「孤独のグルメ」をじっくり観るなら、「Amazonプライム・ビデオ」がおすすめだ。月額料金は格安の500円で、さらに年一括払いなら4900円と1100円もお得。しかも宅配やセール、音楽の特典もついてくる。
DVDよりも画質が綺麗で、過去のエピソードは見放題!料理の画像で観たいエピソードが選べ、ディスクの入れ替えなしにどんどん観られる。チャプターはないけれど、早送りもサクサクできて問題なし。気の済むまで「孤独のグルメ」を観まくろう!