孤独のグルメ Season1-4 千葉県 浦安市の静岡おでん

前回の続き。元カレのことを思い出した五郎さんは腹が減った。歩き回るものの、新興住宅地ではなかなか飲食店が見つからない。そこに、ポツンとおしゃれカフェが現れたのである。

至高の名言、飛び出す

孤独のグルメ Season1-4 千葉県 浦安市の静岡おでん

※Amazonプライム・ビデオより引用

「ロコディッシュ」なる店は、いかにも昼下がりに主婦が集まっていそうな外観だった。Season1はここまで、「焼き鳥」→「煮魚」→「汁なし担々麵」というラインナップである。そこにこのおしゃれカフェ。これには視聴者はもちろん、五郎さんもやや戸惑う。しかしそこで五郎さんがつぶやくセリフが実に奮っている。耳の穴かっぽじって聞いていただきたい。

「ま、当たって砕けろ、だ。失敗したら後悔すればいい。

……である。

どうだろう、全国の二の足踏んでいる人に届けたい名言ではないか。

人は後悔するのが嫌だから、失敗を恐れる。後悔は自己嫌悪につながるからダメージがでかい。しかし後悔とは反省である。反省ができる人間は、同じ失敗を繰り返さないようにすることができる。だから後悔することは決して悪いことではないのだ。

なお、五郎さんがここで失敗するかもしれないのが「ランチ選び」程度であることは、気にしてはいけない。加えて五郎さんは何度も豚やじゃがいもをダブらせたり、季節外れのメニューを繰り返し注文して嫌な顔されたりするわりに反省の色が見えないが、それも今は思い出さないほうがいい。

おちゃめ五郎さん

Season1を見て驚くのは五郎さんの渋さである。モノローグ(心の中のつぶやき)の声は低く、内容はどこかニヒルだ。おそらく原作の淡々としたトーンに合わせた結果だろう。
いっぽうで今の五郎さんは人の好いお茶目なおじさんという印象が強い。年を取って丸くなったのだろうか。演じる松重豊さんの雰囲気もこちらのほうが合っているし、おそらく正解なのだと思う。
さて本話はまだ4話とSeason1でも序盤なのであるが、すでに「のちのお茶目さ」の片鱗が見える。

まずはメニューを見て「静岡おでん」を発見した五郎さん。西海岸を思わせる新興住宅街の、こ洒落たランチを出しそうな店で見つけた「静岡おでん」の文字に呆気にとられた五郎さんは、ただ「静岡おでん……」とだけ声に出してつぶやく。それに反応した女性オーナーがメニューの説明をしてくれるのだが、呆気にとられたままの五郎さんは「静岡おでん?」と相槌を打つ。さらにおでん情報を話してくれるオーナーに、五郎さんはまたしても「あ、静岡おでん」と返すのであった。
オーナーとの会話を「静岡おでんの三段活用」で乗り切り、もはや「静岡おでん人」レベルの会話術で茶目っ気を見せつける五郎さんである。

孤独のグルメ Season1-4 千葉県 浦安市の静岡おでん

※Amazonプライム・ビデオより引用

続けて五郎さん、こんなものをオーダーしてしまった。工芸茶という中国のお茶である。花が開いたら飲むのだそうだ。茶といい花といい、女性が好みそうなメニューを果敢に攻める五郎さん。それを不思議そうにのぞき込むこの仕草……。

あざとい! どうしたんだ、今日の五郎さん。

そしてさらに畳みかける。幼い女の子がお使いでおでんを買いに来るのだが、それを隣で見ていた五郎さんは何を思ったか「こんなお使いなら、俺もやりたい」とつぶやいたのだった。「こんなに美味しいおでんを買い行くだけなんて、素敵!」ということなのだろうか。ちょっと幼児退行している気がしないでもない。

客層のメインが主婦というアウェイに乗り込んだからか、随所に女性ウケを狙ったかのような茶目っ気を見せてくる五郎さん。郷に入っては郷に従う、五郎さん流の処世術が大いに発揮されたのかもしれない。

静岡おでん、再び

さてちょっと話を戻そう。「どんなこ洒落たメシを出すんだろう」と身構えた五郎さんを迎えたのは、意外にも「静岡おでん」であった。
五郎さんと「静岡おでん」には因縁がある。原作「孤独のグルメ2」の第一話にて、静岡を尋ねた五郎さんはおでん目当てに店へ入るのだが、運悪くその店には「静岡おでん」がなかった。

孤独のグルメ Season1-4 千葉県 浦安市の静岡おでん

※孤独のグルメ2より引用

悪態をついてはいるが、このあと出てきた「汁おでん」が意外にも旨くて、結果的には大満足で店を出ることになる。

しかし本話でも「この前、食べられなかった」と言っていることからして、どうやらあれ以来「静岡おでん」とは縁がなかったようだ。何年越しだかは分からないが、静岡で食べ損ねた名物と新浦安でのリターンマッチとなった。

孤独のグルメ Season1-4 千葉県 浦安市の静岡おでん

※Amazonプライム・ビデオより引用

思わぬ再会に五郎さんもヒートアップ。あのとき食べられなかった黒はんぺんを一番に平らげ、黒たまごを食べるや否や早々におかわりを決め込む。ノーマークだった「牛すじ」が人気商品と知るや、息荒く食い気味に追加注文。オーナーも「はい、すぐにお持ちします!」と答えるほどの勢いだった。

今日は五郎さんのおかげで、人生で最もたくさん「静岡おでん」と入力した日になった。「静岡おでん」を目当てに検索で来られた方には、大変申し訳なく思う次第である。

後悔すればいいが、それは今日ではない

店を出た五郎さんは、お腹が満たされたからか再び小雪のことを思い出す。

「小雪……、空腹を忘れるほど後悔する日が、いつか訪れるのかもしれない。でも、それは今日ではない」

失敗したら後悔すればいい、と五郎さんはさっき言った。そして、小雪のことはまだ後悔していないという。それが本心かどうかは分からない。だが少なくとも、小雪との別れは五郎さんにとって失敗ではないのだ。

ふいに思い出して草原に座り込むくらいには、まだ傷跡が残っている。しかし、別れたことは間違っていないとも思える。井之頭五郎、結婚はしないが、大人の恋愛はしっかり経験してきた男である。

 

▼ 汁おでんも相当おいしそう

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