孤独のグルメ Season2-10 北区 十条の鯖のくんせいと甘い玉子焼

ドラマ「孤独のグルメ」の重箱のスミをツツいて楽しむブログ「スミツツキ!」、本ブログではエピソード全体の感想や食レポはさておき、各話の些細なシーンにスポットを当ててあれこれと書いていきたい。詳しくは「ABOUT」ページをご参照のこと。

今回取り上げるSeason2の10話は、癖のある名優ばかりの豪華なゲスト陣に目が行く。それぞれ演技をじっくり観ていきたいところだが、実は他に気になることがあるのだ。この回は五郎さんの空腹スイッチが入るくだりが強引すぎて、どうにも引っ掛かってしまうのである。下戸ながら、なぜか飲み屋ばかり巡らされる五郎さんの悲哀が感じられるエピソードと言えるかもしれない。

このエピソードの概要:
お汁粉目当てに入った甘味処でかき氷を食らい、体の芯まで冷え切った五郎さんは赤提灯を見た途端なぜか腹が減った。

顧客を放置する五郎さん

冒頭、外の寒さがこたえる五郎さんはお汁粉で暖まろうと甘味処(だるまや餅菓子店)に入る。そこでどういうわけかかき氷を勧められ、しかも最高級品の「くり(1200円也)」をプッシュされてしまい、あえなく注文する羽目に。

確かにかき氷(くり)は美味しく、居合わせた家族連れの微笑ましいやり取りになんとなく心が温まったような気がしたが、体が温まるわけがなかった。店を出た五郎さんは再び寒さを実感するが、ひとまずこのまま客先へ向かわなくてはいけない。

訪問先は提灯屋さんである。店の奥からは人の良さそうな加藤ご主人が現れた。輸入雑貨を扱う五郎さんがなぜ提灯屋にと思うが、ドイツのミュンヘンで行われるイベントで使いたいとの依頼があり、そのリサーチということらしい。五郎さんの仕事は幅が広い。

ご主人から「提灯にまつわるチョットいい話」を聞いてなんとなく心が温まったような気がしたが、ご主人が資料を取りに店の奥へと戻った時に事件は起こった。

五郎さんの腹が減ったのだ。

なぜ今!?……それは店頭の赤い提灯を見たからだという。
でも五郎さん下戸じゃん!……それはそうだが、五郎さんは飲み屋に突撃しすぎたか、「赤提灯=メシ」というあまり一般的ではない連想をしたようだ。

誰もいない店に向かって一方的に別れを告げる五郎さん。

店主が資料を持って戻ってきたとき、そこにはもう誰もいなかった。

三大ひどい仕打ちシーン

五郎さんは今食べるべきものを求めて商店街を駆け巡る。先ほどの仕事のことなど微塵も頭にない。しかし様々な商店街が交差する迷路のような風景に右へ左へとさまようばかり。

そんな五郎さんを探しに出るのか、提灯屋のご主人は店の前で自転車に乗ろうとする。ちょうどその時、ご主人の目に商店街を横切る五郎さんが飛び込んだ。しかしあまりの高速移動に、ご主人は「あっ、イノ……」と声を出すのがやっとの状態だった。

孤独のグルメ Season2-10 北区 十条の鯖のくんせいと甘い玉子焼

Amazonプライム・ビデオより引用

ご主人は五郎さんの悲壮な顔つきに、ただならぬ気配を感じたはずだ。人の良さそうなご主人のこと、何か相談に乗れるかもしれないと、このあと商店街を自転車で探し回ったのかもしれない。そう思うと、なんだか胸が痛む。

とは言え、五郎さんはこの後も何度か、こんな風に強引に仕事を打ち切ってしまっている。個人的に「これはひどい」と胸が痛んだシーンを二つ紹介しよう。

ビリヤード場のオーナー

Season4の8話、五郎さんはビリヤード場を訪れる。オーナーにノートPCを預け、「ゆっくりご覧になっててください」と余裕を見せた直後、ボールが穴に吸い込まれていく様子を見るうち腹が減ってしまった。

五郎さんは鬼気迫る表情で自分の提案を押し付け、引き留めるオーナーからPCを取り上げて立ち去ってしまうのだ。

孤独のグルメ Season4-8 杉並区阿佐ヶ谷オックステールスープとアサイーボウル

Amazonプライム・ビデオより引用

「なに焦ってんだろ……、井之頭さん……」と途方に暮れるオーナーの表情が、見ていてツラい。これは間違いなく、次回の交渉で揉めるパターンだ。
何やってんだ、五郎さん……。

いすみ市の職員さん

Season5の9話では、五郎さんはいすみ市を訪れる。移住者を募るためのモデルハウスのインテリアを任されたのだ。しかし、五郎さんを案内してくれる職員の「何と言っても食べ物がうまい」という町自慢を聞いた途端、五郎さんの腹が減ってしまった。

職員の説明を遮り、次の仕事があるからと現場を途中で切り上げる五郎さん。お茶を用意していた職員の腕を引っ張って連れ出し、自分がメシを食うために駅まで運転させるという不埒な悪行三昧。

Season5-9 千葉県いすみ市大原のブタ肉塩焼きライスとミックスフライ 

Amazonプライム・ビデオより引用

市という大きな顧客相手にこのふるまい、考えるだに恐ろしい。この職員がまた人の好さそうな人物なので、仕事に大きな支障はないかもしれないが、それがまた余計にいたたまれない気持ちにさせる。空腹の五郎さんに巻き込まれたのがまことに不運であった。

それでも五郎さんだから許される

もちろんこれらがコメディーとしての演出であることは重々承知であるので、そこはご安心を。
ただ、それはそれで「五郎さんって本当に仕事できてるのか?」という心配は生じる。空腹ひとつで割と簡単に仕事を棒に振るこの人が、一人で生きていけていること自体が不思議だ。あぁそう言えば小雪さんとは……。

人間誰しも欠点はある。五郎さんの場合はそれがまた局所的かつ極端に表れる。いわば濃縮還元だとでも思っておきたい。

ドラマ版の五郎さんは、空腹にさえならなければ割と気の小さい、人の好いおじさんなのである。遠慮がちで謙虚で、イヤと言えない日本人の見本のような人だ。それでいて子供っぽいところもあり、酒飲みをやたら敵視している。

そう、酒飲みを敵視というか、若干バカにしているところもある。

そんな人がなぜ赤提灯に吸い寄せられるのか。次回はそこら辺に注目しながらドラマの続きを観ていきたい。

 

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